訪談錄原文週刊少年『福本伸行』テキスト起こしPart 1/2
船越「私達の心を揺さぶり続ける偉大な漫画家達に100の質問。その想像力の源を探る「週刊少年『』今回、極限状態の人間の心理を描き、読者の脳みそをもチリチリと焦がす、福本伸行先生です。」
経歴紹介:福本伸行、44歳。高校卒業後、建設会社勤務を経て、かざま鋭二のアシスタントになる。1984年月刊少年チャンピオンでデビューし、その後、マージャン劇画誌で才能が開花。「天」「銀と金」「アカギ」と続き、「カイジ」で講談社漫画賞を受賞。
Q1:朝、何時に起きる?
福本「これは、日によって違いますね。」
船越英一郎「大体何時です?」
福本「10時くらいですかね」
Q2:アイディアを考える場所は?
福本「これは、ファミリーレストラン、若しくは喫茶店」
Q3:漫画家になるきっかけは?
福本「漫画家になろうとした時ってのは、たぶん高校卒業した時に、ある建設会社にはいったんですけども、それがつまらないんで、仕事が、だからやりたいように生きようって言うか、会社に入ってた3ヶ月の間に」
Q4:もし漫画家になっていなかったら?
福本「タクシーの運転手とか、トラックの運転手とか、そういうの、多分、やったんじゃないかな。人間関係とかあんま関係なくて。もしくは、ちょっとラーメン極めようみたいな感じで、ラーメン屋さんのオヤジで、あんまり接客しないけど、接客は誰かに任せて、中で作ってるみたいな。」
Q5:印象に残ってるファンレターは?
福本「僕ファンレターとか滅多にこないんですけど」
船越「そうですか?」
福本「きませんねぇ(笑)」(スタッフ爆笑) 「ある時ね、カイジ初めてしばらく経ってから、誰かが自分で作ったゲームを、僕に見て欲しいってな感じで送ってきたんですよ。立派だから、捨てるに捨てれないし、でも俺としてもなんとも言い様が無いし・・・」
Q6:資料は何を使う?
福本「ん~まあ、写真ですよね。あと資料用のカットとか、売ってる本あるんですけど、あとはその時々に応じて、資料とか、編集に集めてもらってるんですよ」
Q7:アイディアノートはある?
福本「これもないですね。ただ、レポート用紙にバッと書いて、畳んで、ちょっとしまったりします。それでまた、『ああ、あそこにしまったんだな』っていって見たり」
船越「思いついたらすぐ書いて。それはネタ帳のようなものでは決して無いわけで」
福本「要するに、まとまってはいない」
Q8:漫画家になって得した事は?
福本「漫画以外の事をしなくてもいいってこと。やっぱ、大人って働かなきゃならないでしょ?いつまでも、ダラダラしてるわけにはいかないし、働くのって、あんま好きじゃないじゃないですか。(船越笑い) 漫画だけやってれば、それでいけるから、それが良かった事かな。」
Q9:やめたいと思った事は?
福本「これもほとんどない、ほとんどってか、ないですね。」
Q10:漫画家として自信がついたのはいつ?
福本「未だにないという部分もあるし、もっと若い頃の感覚で言うと、今描いてる漫画よりも、一年とか、半年とかにもっと面白いものがかけるっていう感覚はあった。」
Q11:座右の銘は?
福本「凄く陳腐でつまらないんですけど、『負けてもともと』とか、『継続は力なり』とか、そういうことはいつも思ってたような気がする。やっぱ続けてく事凄い大事だし、やってみなきゃわかんないし、そういう挑戦って言うかな、この二つを持っていれば、概ね、人生そこそこ上手くいくと思う」
Q12:ジンクスは?
福本「ないですね。」
Q13:締め切りは守る?
福本「守りますね。」
Q14:最大のピンチは?
福本「これもないですね。ん~凄いしんどい時とかあったと思うんですよ、スケジュール的にね。あれはピンチって事じゃなかったなぁ。」
Q15:アシスタント経験はある?
福本「あります」
Q16:どの先生ですか?
福本「かざま鋭二という、ゴルフ漫画描いてる」
船越「はいはい、風の大地とか」
福本「先生の所に、高校卒業してほぼ、すぐの頃に、入って、一年半いましたね。」
Q17:なぜかざま先生に?
福本「それは少年マガジンで募集をしていて」
船越「その頃っていうと、『海商王』とか」
福本「あーよくご存知ですねぇ。僕はその後に入ったんです」
Q18:アシスタントを選ぶ規準は?
福本「そこそこの絵の上手さと、あとは、人柄でしょうね。」
Q19:アイディアに行き詰まった時は?
福本「これも行き詰まんないですね、僕は。今の処」
Q20:キャラクターの性格付けで大事な点は?
福本「僕はよくオヤジを良く描くんですけども、カイジだったら坂崎とか、利根川もそうだし、石田ってのもいたし、遠藤とかも、それみんなオヤジなんですけども、みんな微妙に違う。つまり、物凄くキャラクターを描けなくてもいいような気がするんですよ。普通のオヤジの、それぞれ個別の何かを、匂いみたいな気配みたいなものが、出せるかどうか」
Q21:女性が登場しないのは何故?
福本「あまり、必要ない(笑)僕の漫画には、今の処必要ない。」
Q22:編集者とはどういう存在?
福本「いやまあ、『ナビ』みたいなもんじゃないですかね。」
Q23:漫画家としての職業病は?
福本「まあないけど、ちょっと目が悪くなりましたね。」
(アイディアを考える場所)
船越「割と人のいる場所を選ばれてるような・・・」
福本「そうですね、僕はすぐ寝ちゃったりとかしちゃって、仕事場だと横になっちゃうんですね。そういうところだと多少緊張感があって。回りの声はウォークマンとかでシャットアウトして、集中してやりますね」
(漫画家へのきっかけは?)
船越「いつごろからその、漫画家っていう意識があったんですか?」
福本「クラスの中で、二人か三人いる絵の上手な人っていうか、その中にはいたと思うんですけど、もっと僕より絵の上手い人いっぱいいたんですよ。工業高校だったもんだから、建築家ってところだったから、だいたいみんな就職するんですよ。その時になって、働かなくちゃいけないし、その時、『そういえば漫画家・・・どうかな?』ってのは、掠めたんですね」
仕事場拝見
船越「こだわりの道具は?」
福本「無い!(笑)僕は全然こだわないっすよぉ。ただねぇ、これ(電動のペン型消しゴム)は、この消しゴムは便利ですよ。あとは、誰も使ってるけどこのシャーペンは使いやすいです」
船越「シャーペンで下書きするんですか」
福本「もっというと、芯は2B」
福本「Gペンはゼブラ」
建設会社からマンガの道へ
船越「建設会社に入って、一念発起して」
福本「やっぱり会社に入って、働かなきゃいけない事に対して、頑張らないとダメだなって、人生ね。だから、頑張るためには、頑張れる事を(選んだ)」
賭博黙示録カイジの紹介
アシスタントに聞く
船越「先生は,キャラクターに例えると、どのキャラクターに近い感じですかね?」
アシA「・・・鷲巣」(スタッフ、船越、アシ爆笑)
船越「(福本に向かって)これは暴言と呼んでいいんじゃないでしょうか?(笑)」
アシB「カイジが一番、先生に、近い」
船越「どういう所でしょう?」
アシB「バイタリティっていうか。」
アシC「会長(兵藤)」
アシD「黒沢」
福本「こんなこと僕聞かないですからね(笑)初めてですよ、みんなも困ってたと思うね。」
船越「楽しんでいただけましたか?」
福本「楽しんだっていうか、あとでちょっと話し合わなきゃ(笑)」
Q20:キャラの性格付け
A:気配が出せるかどうか。
福本「結局漫画家って、イタコみたいなもんじゃないですか。その人物になりきって演じてるわけですね。いろんな人に、それぞれ憑依するっていうか。そういう感覚が必要。」
Q21なぜ女性が登場しないのか
船越「なぜ必要ないんですか?」
福本「ん~・・・必要ないから(爆笑)って、よくわかんない。ギャンブルの勝負を煮詰めていく時に、男と男の勝負でなんら問題ないわけですよ。勝負をかけたいわけで、その時、女の子と恋心、ってのはいらないし。そういうの続けていくうちに、もう女の子描けなくなっちゃった(笑)」
プライベート編
Q24:好きな映画ベスト3は?
福本「『蒲田行進曲』『バックトウザフューチャー』黒澤さんの『生きる』」
Q25:好きな小説家ベスト3は?
福本「『山本周五郎』『司馬遼太郎』小説家じゃないんだけど、『沢木耕太郎』」
Q26:好きな食べ物は?
福本「ん~和食かな。その中では寿司かな。」
Q27:嫌いな食べ物は?
福本「イクラとか苦手なんです。寿司好きっていっといて何言ってんだって感じですけど(船越笑い)。ウニもちょっとダメなんです。」
Q28:休日の過ごし方は?
福本「公園に、子供といく。疲れて寝る」
Q29:趣味は?
福本「まあゴルフですかね。」
Q30:好きな音楽は?
福本「昔で言うとニューミュージックってのがあって、その系統を基本的にはずっと好きですね。例えば『ゆず』とかも好きですし、ブルーハーツとか」
Q31:影響を受けたアーティストは?
福本「若いときは黒澤(明)さんを見て、ああ凄いなとは思った。あとスピルバーグは素晴らしいなと思う」
Q32:お好きなギャンブルは?
福本「マカオに行くと、『大小』(三つのサイコロの合計や出目を当てる)を結構やります。あとはまあ、麻雀を時々やるくらい」
Q33:嫌いなギャンブルは?
福本「特にないんですけど、ちょっとやだなぁと思うのは、競馬ですね。」
Q34一番熱くなったギャンブルは?
福本「やっぱり『大小』で、一回行ったときに23万くらい勝ったんですよ。次の時に50万負けたんですけど(笑) つまりね、『ギャンブルで勝った負けたというのは、ギャンブルをするに当たって、それほど大きな事ではない!』という風に考えるべきだ。なかなかそういう風には考えられない。それで大事な事は(↓の続く)」
Q35:大事な事は?
福本「それはね、どう張りつづけられた、なんですよ。闘う形ですね。自分で約束事を決めて、それを守れたかどうか。それを守らないとボロ負けするんですよ。さっきの50万って小さいお金かもしれないですけども、もうあの時は途中からえいえいえい・・・って好きな風に張っちゃって(爆笑)」
船越「先生の作品の中で一番やってはいけないこと(爆笑)」
福本「(爆笑)一番やってはいけないことをやってしまったんですよ」
Q36:ギャンブルとは?
福本「勝つって言うんじゃなくて、自分の決めたルールを守るなら、楽しい物。」
Q37:好きなテレビ番組は?
福本「最近面白いと思うのは、『ハマショー』」
Q38:福本流健康法とは?
福本「あんま太らない事でしょうね。」
Q39:節制法は?
福本「うん、食べない。んーあーでも食べちゃうんだなこれが」
Q40:尊敬する人は?
福本「これもいないですね」
Q41:ファッションへのこだわりは?
福本「なし!」
Q42:一番落ち着く場所は?
福本「自宅か、仕事場。」
Q43:クセは?
福本「何かをいじっちゃう事はあります。例えば割り箸の袋の端を折りたたんでるとか」
Q44:幼少期は?
福本「僕は幼稚園の頃、いきなり『わー』って泣き出して、手がつけられなくて、その時先生が、一枚の銀紙を渡してくれる。それを犬とか顔とか作って、それで大人しくなる。結局こうやって、こう入っていって何かやるのが好きだったんでしょねぇ。」
船越「なるべくしてこの職業になったっていうか、その片鱗があったんでしょうねぇ」
Q45:子供の頃見ていたアニメは?
福本「『巨人の星』とか『トム&ジェリー』とか、『マイティ・ハーキュリー』とか」
Q46:初めて買ったマンガは?
福本「いやーこれは全然覚えてないなぁ」
Q47:好きだったアイドルは?
福本「ピンキーとキラーズ」
Q48:欠かさず見ていたテレビ番組は?
福本「これもないなぁ」
船越「例えば『八時だよ!全員集合』とか」
福本「あ、それは観ていたかもしれない。」
Q49:得意だった科目は?
福本「国語と、一応美術」
Q50:苦手だった科目は?
福本「英語。数学はまあまあでしたね。」
Q51:喧嘩はたくさんした?
福本「ぼくはしてないですね。いわゆる、した方じゃないですね」
Q52:女性に求めるものは?
福本「ん~、これ難しいっすよ。もう求めてはいけないって言われてるし(笑)
Q53:結婚は?
福本「はい、してます」
Q54:最近、涙を流したのはいつですか?
福本「黒沢の、ネームを作ってるときです。それは、11話です。」
Q55:旅行で良かった場所は?
福本「アメリカ、タイ。」
Q56:もう行きたくない場所は?
福本「ないですねえ、旅行ってのがそもそも、楽しみじゃないですか。よっぽど酷い事があっても、結構楽しんじゃう方。」
Q57:怖いものは?
福本「アクシデントですよねぇ。簡単に言うと死ぬ事です。(ガン宣告されて)その事だけでも嫌だ。死なないにしても、何%でもそういうのがあるってのが怖い」
Q58:歴史上の人物で好きな人は?
福本「坂本竜馬ですかねぇ」
Q59:タイムマシンがあればどこへ?
福本「未来ですよね。1週間後とか。半年とか。勝ちますよね、株とか、為替とか。過去へ行くとしたら、若い頃の自分に会って、おこづかいあげたりとか。」
船越「割と身近なことですね」
福本「だって、雄大な大地とか見たいけど、戦車とかでいかないと危ないよ(笑)」
(好きな映画ベスト3)
船越「好きな作品の中で、先生の作品にインスパイアされたものってありますか?」
福本「なんか影響された部分ってあると思うんですよ。でも、ないかなぁ。ただ黒澤さんのリアリティって、どういうことなのかわかったんです。人間の感情に沿ったリアリティなんですよ。それプラス視覚的なネタ。僕のマンガでも、勝負の心理のリアリティだったりする。あとどうして勝つかっていうネタ。気合で最後の流れ牌を引きましたってのじゃダメでしょってのがもう前提としてある。そういう作りを黒澤さんはしてなかったですよね。それは面白い。」
(マンガの見せ方)
福本「2パターンあって、絵からくる人と、僕みたいに、絵じゃなくて言葉からくる人と。映画と小説なら、マンガは小説に近い。実は絵よりも文字、台詞を読んでるんじゃないか。」
『天』『アカギ』の紹介
(先生によってのギャンブルとは?)
船越「ギャンブルは強い方だって思われてますか?」
福本「普通だと思うが、ツキはあるんじゃないかと思う。麻雀の腕は並だけど、勝負強い所はある。」
船越「『大小』のどこに魅力を感じてます?」
福本「貼ってすぐ二分で結果が出て、勝負が早くて、上手くいってる時も、上手くいってない時も、擬似人生みたいなんですよ。『大小』はでにくい目と出やすい目があって、当然111は出にくい。でも出る時もある。麻雀で1ー4萬で待ってて、(捨て牌から)それが出にくいときにも、出たりする。それの複雑版が麻雀。あ、ギャンブルってロジック(論理)は重なりませんからね。イエスかノーかを積み重ねていく、そのもっともシンプルなのが『大小』」
船越「(最初の麻雀マンガの連載の時に)自分は麻雀に精通してるってのは先生の中であったのでしょうか?」
福本「僕は中学の頃から麻雀やってて、でもやらない時期もあって。(麻雀を)分かってる人っていっぱいいるので、その次の事を考えられるのが漫画家の能力」
船越「先生が経験してこられたことで、それが作品に反映してることってのはありますか?」
福本「いろんなバイトをして、いろんな旅行して、ちょっとピンチの時ってありますよね?泥棒にあった事もあるし、そういう危機に対するアンテナみたいなもの、今は鈍ってるかもしれないけど、旅をしてるとあるんですよ、前から人がくるとちょっと考えますし。旅行してる時に考えるのは『最悪を避ける』。それは『生きてればいい』ってこと。
ギリギリまで自分だけで生きるっていうのは、この世の中で自分で生きていく事の面白さの根っこがあるわけで。人間関係が苦しいとか色々あるけど、それを含めてのゲームですよね。」
船越「先生の作品に共通するメッセージですよね」
福本「そうそう、自分だけで行こうぜ!ってのはありますね。」
(『銀と金』『無頼伝 涯』『最強伝説 黒沢』の紹介)
Part1/2是我譯的,有錯請多多包涵(括號里是我的註解) 繼續閲讀 »